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MITOU MAGAZINE

2016年12月09日号

目次 見出しをクリックすると詳細へ移動します

■1 中高生向け未踏説明会を開催します

プログラミング教育WGチーフの鵜飼です。
12/17(土)に、UUUM株式会社さんのオフィスをお借りして小中高生向けの未踏説明会及び未踏卒業生による講演会「未踏の魅力を知ろう」を行うことになりました。 2017年度の未踏事業及び、未踏社団で行っている中高生向けミニ未踏「未踏ジュニア」、さらにU-22プログラミングコンテストの紹介も行い、日本のトップ小中高生が超トップになる手助けを出来れば、と思っています。
詳細は、以下のURLを御覧ください。
http://bit.ly/mitou1217

■2 未踏忘年会+未踏研究会#4を開催します

一昨年のDMM.make AKIBA、昨年のサイボウズ日本橋新社屋、と盛況続きの未踏忘年会を今年も年の瀬の12月17日(土)に、今年は7月にオープンしたばかりのアクセンチュア・デジタル・ハブにて行います!

また今年の忘年会は、昨年に引き続き未踏研究会、そしてさらに同日に開催される「小中高生向け未踏説明会」の懇親会を兼ね、未踏関係者に加えて昨年同様U-22プロコンの関係者の方も参加予定となっております。

当日は未踏研究会の活動報告や未踏会議・ナイトの予告などを予定しております。飛び込みLTも大歓迎ですので、以下のURLからぜひ参加申し込みをお願いします!
https://www.facebook.com/events/587723741400738/

■3 未踏ジュニア最終成果報告会を開催しました

17歳以下の小中学生・高専生を対象とした「未踏ジュニア2016 成果報告会」を11月23日にリクルートのITクリエイター向けコミュニティスペースTECH LAB PAAKで開催しました。

一般社団法人未踏については荒川理事から、未踏ジュニアの取り組みについては鵜飼PMからそれぞれ簡単に説明をしました。 竹内理事による開会の挨拶の後、30名を超える参加者全員の自己紹介が行われました。

本年度の採択者は4プロジェクト6人で、4人の未踏OBがPMを務めました。
プロジェクトの内容は以下の通りです:

1. 福住仁志朗 - Voice Commander ~かっこいいチェス~ (鈴木PM)
2. 工藤零大、福田恭子 - スマートペン (西尾PM)
3. 木村皓子 - VR絵本メーカー (鵜飼PM)
4. 原隆弘、谷口龍星 - 寿司マナー (安川PM)

今回の報告会では、学業の都合で参加できなかった原・谷口プロジェクトを除く3プロジェクトの成果が発表されました。 発表動画は
http://jr.mitou.org/#2016
で見ることが出来ます。 谷口・原プロジェクトの成果物は2017年1月5日に同サイトから公開される予定です。

1. Voice Commander ~かっこいいチェス~福住仁志朗(鈴木PM)

福住氏は石川高専の電子情報工学科の2年生です。 プログラミング歴は1年半ですが、Hack for Playのスクールで子供たちにプログラミングの指導を行っています。

今回開発した「Voice Commander」は声とジェスチャーで操作する新感覚チェスです。 音声認識と画像認識を使い、チェスの駒が動くようにプログラミングしました。

こだわりどころは「かっこよさ」。 戦場をイメージさせるためにチェス盤を地図にしたりなど、とにかくグラフィックにはこだわりました。 テキストファイルで名前や地名の変更ができるカスタマイズ性も考慮しており、鈴木PMが開発したライブラリ「Siv3D」も大いに活用したとのこと。 今後はKinect版や詳細ルールの実装などのアップグレードを図りながら、フリーゲームとして公開することを目指しています。

PMコメント: 声による命令とジェスチャーで、プレイヤーを本物の司令官にしてしまう新感覚のコンピュータチェスを実現しました。
福住さんはプロジェクト当初から「かっこいいチェスを作る」という目標に一貫してこだわり、画像処理や音声認識、3D グラフィックスなど、目標達成に必要な技術を一つ一つ学習し、自分のものにしていきました。
チェスという伝統的な遊びを踏襲しながらも、まったく新しいプレイ体験を構築したのは、未踏的な発想力と実装力もさることながら、プロジェクト期間中に PM 陣や協力者から受けた様々な意見や提案にただ流されるのでなく、自分なりに吟味・取捨選択し、適切に開発方針を見定めていった成果だと思います。

2. スマートペン(工藤零大、福田恭子/西尾PM)

工藤・福田ペアが開発したプロダクトは、勉強時間を入力する「スマートペン」。 勉強時間を記録してさぼり癖をなくしたいが、さぼり癖のある人はその記録自体をさぼってしまう。 そこでペンを握っているだけで、自動で勉強時間を計測・記録できるスマートペンを開発しました。

日別・曜日別・月別・時間帯別のグラフで勉強時間を可視化したり、Twitter連携、目標の設定なども行えます。 技術的に工夫したところとして、静電容量式のタッチセンサを自作したことや、小型化・省電力化のためにユカイ工学のkonashi2のファームを書き換えて使ったことなどを挙げました。

今後は製品化を目指すだけでなく、スマートペンで取得した統計データを活用し、ビジネスにつなげていきたいと野望を語りました。

PMコメント: 「明示的な記録開始動作なしに勉強時間を計測したい」という目的のために、ペンにセンサを内蔵しBLEで通信することを提案したプロジェクトでした。 共有の作業場なしで物理的なデバイスを製作する困難の中、短い開発期間でペンとして実用可能なサイズのプロトタイプを完成させました。 素晴らしい成果だと思います。 今後は商品化という更に高い目標を目指すそうで、きっと多くの学びと成長があることだろうと期待しています。

3. VR絵本メーカー(木村皓子/鵜飼PM)

Unityインターハイベスト15に入賞したこともあるという木村氏は、慶應義塾女子高校3年生。2016年はVR元年と言われているが、高価なガジェットを購入するのは学生にはハードルが高い。 そこで、スマホとハコスコを使って自分の体験を絵本にできるVRアプリをUnity(C#)で開発しました。

イラストの得意な友人に女の子キャラを作ってもらい、デートコースを楽しむ様子をVRに収めた実演デモや、学校の中を案内するVR動画の作成例なども紹介されました。 実際に自分でVR絵本を作成する中で撮影の難しさや素材の用意などの課題を発見、それらの解決方法を今後開発し組み込んでいきたいとのことです。

また、写真や動画のようにVR動画(絵本)もSNSで共有する機能の実装も目指し、さらに、VRインディーズライブといったような好きなアイドルやアニメを楽しんだりできるVRの可能性に挑戦していきたいと今後の目標を語りました。

PMコメント: ユーザーががVRコンテンツを作れるアプリを作る、という非常に挑戦的なテーマに挑み、実際に自分が体験したかった「銀河鉄道」の様なVRコンテンツが製作できるものに仕上げたのは大変素晴らしいです。 今後はアプリのリリースに向けて、細かいバグ修正やコンテンツの共有機能を実装し、さらにその世界を広げていくことを強く期待します。

それぞれの発表後には、成果報告会の参加者から質問やアドバイス、アイデア出しなどアツい質疑応答が交わされました。 発表後には、竹内代表から採択者たちに表彰状が授与。 最後に記念撮影を行い、報告会は終了となりました。

■4 未踏IoTワークショップを開催しました

11月26日、Techshop Tokyo にて、未踏IoTワークショップを開催しました。
IoT研究会では、ソフトウェア技術者の多い未踏OBがハードウェアについて学び、IoTなど新しい分野を開拓できるよう、これまで「未踏IoT開発合宿」を実施してきました。 今回は、合宿では都合のつきにくい方向けに、合宿で行っているハードウェア初心者向け講習を、日帰りで実施しワークショップとしたものです。 参加者は6名と小ぶりのワークショップになりましたが、それぞれスピーディーに講習をこなし、Raspberry Pi のセットアップからセンサーモジュールのはんだづけ、ソフトウェアからモジュールのコントロールまでを実践できていました。 講習の終了後は次のステップについての議論も多くあり、参加者がきちんと応用開発に進むことができるワークショップになったものと思います。

次回はまた合宿形式での開催を予定しています。 すでに複数の方から開催のご希望をいただいておりますが、具体的には未定です。 詳細が決まりましたらまたメルマガ等で告知いたしますので、どうぞよろしくお願いいたします。

■5 起業WG飲み会を開催しました

12/5に、渋谷にて第2回 起業WG飲み会を開催し、5名の起業家・予備軍が集まりました。
各自の近況から、社団未踏の活動、農業や医療カルテ、エストニアの魅力、酒関連までと、話題は多岐に渡り、とても盛り上がりました。
今後も定期的に開催しますので、起業(スタートアップに限りません)にご興味のある方は、facebook のグループにもご参加下さい。
http://bit.ly/mitou_kigyo_wg

■6 一般社団法人とは何か

「一般社団法人とは何かわからない」というご意見をいただきましたので解説します。

まず「権利」を持つことができるのものには、私やあなたのような「自然人」と、法律によって権利を持つ能力を認められた「法人」とがあります。 一般社団法人も株式会社もどちらも法人です。

法人には社団法人と財団法人があります。 社団法人は人の集まりで、財団法人は財産の集まりです。 財団法人に関しては今回は深入りしません。 一般社団法人も株式会社もどちらも社団法人です。

社団法人の中には営利社団法人と非営利社団法人があります。 株式会社は営利社団法人で、一般社団法人は非営利社団法人です。 言葉の雰囲気から誤解をされがちですが、非営利法人とは「お金を儲けない法人」ではありません。 「お金を儲けても分配できない法人」です。 株式会社は利益を配当の形で分配できますが、一般社団法人は利益を出資者に分配できません。

一般社団法人は利益の配分ができない代わりに、一部の事業を除いて法人税が非課税になります。 どういう事業からの所得が非課税になるかはこちらのパンフレットに詳細が書かれています。
https://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/hojin/koekihojin/pdf/01.pdf
未踏社団の収入は「法人賛助会員からの会費収入」が大部分を占めています。 この会費収入は非課税です。 これが未踏社団や多くの学会が一般社団法人を選択している理由です。

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 未踏社団は以下の法人会員の会員費で運営されています。

  富士通株式会社  株式会社リクルートホールディングス  株式会社プロコミット

発行元:一般社団法人未踏  http://www.mitou.org/
今回の担当:事務局・西尾